「ふたりは友だち」

2021年2月9日

アーティスト、千葉さんの優しい一枚にインスパイアされて、文章を描きたくなって、ショートショートストーリーにしてみました。ちょっと童話風😊

「ふたりは友だち」

 シロクマのシローさんとウサギのピョンちゃんは大の仲良し。でも、ある日シロクマのシローさんは、とても悲しいことがあって、落ち込んで外にでたくなくなってしまいました。ピョンちゃんは、なんとか元気になってもらいたいと、冬の野原を一生懸命にぴょんぴょんはねて、シローさんにあげるすてきなお花をさがしました。

 でも、冬の野原には緑や花もなく、ピョンちゃんは途方にくれてしまいました。でも、なんとかシローさんに元気になってもらいたいピョンちゃんは、あきらめることなく広い雪の野原をどんどんかけてゆきました。そんなピョンちゃんのやさしい心は、空からようすを見ていた神さまに届いて、神さまは空からピョンちゃんのそばにおりてきました。「ピョンちゃんの友だちを思うやさしい心に、プレゼントをあげよう」と言いました。そして、神さまはもっていたつえを「ひょい」とふると、不思議なことに雪の野原の中にぽっかりとあながあいて、雪がとけて土が見えています。そして、みるみる芽がでて、あっという間に小さな金色の花が咲きました。ピョンちゃんはびっくりして、キラキラ光る花を大事にとって、神さまに「ありがとうございます。これで、シローさんに元気をあげられます」とお礼をいい、シローさんのところに急いでいきました。

 「シローさん、キラキラ光る花だよ。素敵でしょう。早く元気になってね」悲しくて、とても落ちこんでいたシローさんは、友だちのピョンちゃんの優しい気持ちがうれしくて、お花を受け取ったとたんに、みるみる元気になりました。

 そして、シローさんとピョンちゃんはいつまでも仲良く大切な友だちでいました。(H.K)